ここ3日ほど、明日から
東大総合博物館で開催される
特別展示「東京大学コレクション―写真家上田義彦のマニエリスム博物誌」展の
準備を、授業の関係で手伝わせていただきました。
標本になぜか生命を感じるような妖しく美しい写真も勿論すばらしいのですが、
空間のデザインがすごい。あらゆる角度からの視点が計算しつくされています。
展示とは全体を考えてするものなのだということを初めて理解しました。
何事を見るにも俯瞰的な目線を忘れないようにしたいと思います。
しかし骨に囲まれてひたすらワインをグラスに注ぐなんてこと
そうそう経験できるものではありませんね
科学映画の歴史をずっと、雑誌から調べているのですが、
そこでも俯瞰的な目線というものの重要性を感じます。
1950年代の雑誌でも「日本の一般市民の科学リテラシーは低い。
科学を伝えるコミュニケーションの工夫が必要である。」
ということが盛んに言われていて、
芸術的な視点から科学を見ることを勧める論者もいました。
先日
上映会で観た、土本典昭監督の「原発切抜帖」もそう。
(水俣病の映画など、数々の社会派ドキュメンタリーを撮っている)
原発に関する新聞のスクラップをただただ映しているのですが
これまで日本で起きてきた原発事故、原子力開発のもたらした数々の害を
つなぎあわせることで再考させる映画でした。
(日本にもここまで面白い社会派ドキュメンタリーがあったんだ!
と
興奮した作品でした)
問題はいつもそこにあるのに、我々はどうしてすぐ忘れてしまうのでしょう?
つないで全体的に見てみると、初めて見えてくるものがあるのだな、と思いました。
ところで、先日違う授業で、
印刷博物館に行きましたが
ここにも科学好きな人にはうれしい展示がいっぱい!
「博物誌」「種の起源」「解体新書」「百科全書」など
科学史に出てきた本が収蔵されていました。
美しい印刷物がいっぱいで心躍ります
私、活字というものがすごく好きみたいです。